リノベーションでできるマンションの火災対策

公開日:2022/06/15   最終更新日:2023/04/21


マンションに住んでいて、火災が発生したらどうなるのか心配に思っている方もいるのではないでしょうか。マンションで火災が起こると逃げ遅れなど特有のリスクがあるため、住む側も必ず対策を考えておく必要があります。この記事ではマンションで火災が発生したときのリスクと、リノベーションでできる火災対策について解説します。

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マンションは火災が起きると危険!

一般的にマンションは高い耐火性を持っており、火事が発生しにくい建物です。マンションの構造は多くの場合、鉄筋コンクリート造(RC)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。

これらは一般的に、建築基準法でいう耐火性を満たした「耐火建築物」に該当します。万が一火災が発生しても燃え広がったり倒壊したりするまでには時間がかかるので、その間に住民は避難することが可能です。

しかし、火事になりにくいといっても、リスクがゼロになる訳ではありません。さらに火事が起きると、マンション特有のリスクも発生します。ここからマンションで火事が発生したときのリスクについて説明します。

■高層階からの逃げ遅れのリスク

マンションでは一旦火が回ると自力での避難は難しくなります。特に高層階では下に降りるまで時間がかかるので、逃げている間に火に巻かれてしまうリスクがあります。過去には2017年にイギリスのロンドンで発生したタワーマンション火災で、逃げ遅れた住民70人が死亡した事件もありました。

■一酸化炭素中毒のリスク

マンションは一般的に気密性が高いので、火災で発生した煙が外に漏れず建物内にこもりやすい構造となっています。火災時に発生する煙には多くの有毒ガスが含まれており、その中でも恐ろしいのは一酸化炭素です。

一酸化炭素は酸素が少ない状態で不完全燃焼が起こった時に発生し、少しの量を吸い込むだけでも意識を失うことがあります。低層階での火災により発生した一酸化炭素が高層階へ流れた場合、多くの住民が一酸化炭素中毒を引き起こして動けなくなり、結果として多くの死者を出す危険もあるのです。

どんなリノベーションを行うべきか

マンションでの火災リスクを減らすには、元々火災に強いマンションを購入するほか、リノベーションで自ら火災対策する方法があります。具体的には、以下のようなリノベーションで火災に強い部屋を作ることができます。

■内装材を火災に強いものに変える

一般的なマンションの内装材は防炎性や耐火性を備えたものが使われているので、あまり神経質になる必要はありません。しかし、マンション備え付けのものでなく自分が気に入った内装材を使いたい方もいるでしょう。

内装をリノベーションするときは、必ず内装の漆喰やフローリング、壁紙などが防炎、耐火性能を持っていることを必ず確認してから使うようにしてください。

■間取りを工夫する

マンション火災において、避難口となるのは玄関とバルコニー側の窓の2つです。もし間取りを変更するなら、これらの避難口から逃げる時の妨げが少ないような動線を確保することをおすすめします。壁を移動したり部屋を増やしたりする際は、リノベーション会社とよく相談してから決めるようにしてください。

■火災報知器の位置を確認する

2004年から住宅用火災報知器の設置が義務付けられたので、この年以降に建築されたマンションではあまり考える必要はありません。しかし築年数の経過したマンションでは法に定められた機器が設置されていないことも考えられるので、市町村の条例などをチェックして新設を検討するべきです。

リノベーション以外でできる火災対策とは

リノベーション以外でも、火災対策をすることは可能です。たとえば、以下のようなポイントがあるので、できるところから手をつけていきましょう。

■消火器を室内に設置する、共用の消火器の位置を確認する

もし火災が起こっても、火が小さい時点で対策すれば消し止められる可能性が高まります。初期消火のために重要なのが消火器です。部屋における消火器が販売されているので、キッチンなど火を使う設備の近くに置いておくことをおすすめします。またマンションの廊下などに置かれている共用の消火器がどこにあるか、事前に確認しておくのもよいでしょう。

■避難経路を確認しておく

普段から避難経路の場所を意識していないと、火事になってからでは逃げ遅れるリスクが高まります。普段からどこに逃げるか確認し、いざというときに慌てないようにしましょう。

■カーテンや寝具を防炎性のあるものに変える

火事が起こると、カーテンや寝具など布製品を伝って燃え広がることがあります。防炎性の高い素材のものを揃えておくと、燃えるスピードが遅くなり火事になっても消火しやすくなります。

■電気まわりをチェックする

コンセントが抜けかかったままになっていると、隙間に溜まったホコリから発火して火事になるリスクがあります。また傷んだコードは出火の原因になるので、古い機器があれば交換しましょう。

 

この記事では、マンション特有の火災リスクとリノベーションなどの火災対策について紹介しました。マンションは耐火性の高い建物ですが、いざ火事が起こると大きな被害を出す恐れもあります。マンションの火事についてよく理解して事前対策し、万が一のときにも正しい行動を取れるよう心がけましょう。

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