マンションで防音リノベーションはできる?種類や注意点も解説

公開日:2024/01/15  最終更新日:2023/11/02

マンション 防音

マンションでの生活は便利で快適ですが、隣接する部屋や上下の住人の生活音のみならず、子どもの足音や楽器、ペットの騒音など、さまざまな生活音が聞こえます。そこで、防音リノベーションを考える人も多いのではないでしょうか。この記事では、マンションでの防音リノベーションの種類やメリット、注意点について詳しく解説します。

防音リノベーションの種類

普段生活していくうえで、人はさまざまな音をだしますが、それぞれ音の特徴や伝わり方が異なります。たとえば、ピアノの音は約80~90デシベル、テレビの音は約57~72デシベル、犬の鳴き声は約90~100デシベルといった具体的なデシベル数が示されています。これらの音の大きさや種類によって、適切な防音リノベーションの方法を選択する必要があります。

防音の種類

防音リノベーションには、主に遮音と吸音の2つがあります。まず遮音とは、空気中で伝わる音を遮断し、音が外部に漏れないようにする方法です。住宅では石膏ボードなどが使用されます。

一方で吸音とは、音を吸収し、反射を妨ぐ方法です。グラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどが吸音材として使用されます。

具体的な防音リノベーションの方法

防音リノベーションには、吸音材や遮音材を導入するほかにもさまざまな方法があります。

たとえば、静音タイプの家電への更新や家電の位置変更です。古い家電は振動が起こりやすく、それが音の原因となります。新しい家電に取り替えることで、振動や音の問題を軽減できます。さらに、音が出る家電は壁から離すと、音の伝播を抑える効果があります。

また、音の発生源となる場所を生活空間や隣の部屋と離すための間取り変更もひとつの方法です。さらに、間仕切り壁の防音リノベーションも有効です。既存の石膏ボードの上から遮音ボードを上貼りすれば、部屋内の音の反響や伝播を抑えられます。部屋の防音性を高めるための防音内装ドアへの取り替えも、効果的な防音リノベーションのひとつです。

マンションで防音リノベーションをするメリット

防音リノベーションをすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。順番に解説します。

生活音のトラブルを減少させる

国土交通省の調査によると、マンション居住者間のマナーをめぐるトラブルのなかで生活音が38.0%と最も多いとされています。防音リノベーションを行うことで、このような生活音に関するトラブルを大きく緩和できます。

防音室の種類とそのメリット

防音室の種類は、防音工事をするか、ユニット式かの2種類に分けられます。防音工事は部屋の形状に関わらずニーズに合った設計ができます。一方、ユニット式は大きな箱状の防音室を設置する方法です。ユニット式は手軽に導入できるメリットがあります。音の種類や部屋などの条件から、自分に合った方を選びましょう。

防音リノベーションをするうえでデメリットや注意点

防音リノベーションは、生活音の問題を解消する効果的な手段として注目されています。しかし、施工を進める前に知っておくべきデメリットや注意点があります。チェックするべきポイントを詳しく解説します。

管理規約の確認

分譲マンションなどの集合住宅でリノベーションを行う場合、施工にあたっては管理規約を遵守する必要があります。とくに、共有部分での工事には制限があることが多いため、事前に確認が必要です。

近隣への挨拶

防音工事を行う際には、隣接した部屋の住人への挨拶や事前の通知が必要です。工事の騒音や振動による迷惑を避けるため、十分な配慮が求められます。

費用の問題

防音リノベーションは施工箇所や対策方法によって費用が異なります。リノベーション業者としっかりと相談し、納得できる費用と対策を一緒に考えましょう。また、部分的な防音リフォームで対応できる範囲か、全体的なリノベーションが必要かを見極めることも大切です。

業者選びの注意

防音リノベーションを行う業者を選ぶ際には、見積価格だけでなく、業者の専門性や実績を確認することが重要です。また、アフターサポートがしっかりと行われているかどうかも確認ポイントとなります。

部屋のスペース問題

防音リノベーションを行うと、壁の厚みが増えることで部屋が狭くなる可能性があります。とくに、ユニット式の防音室を設置する場合は、部屋のスペースを大きく取るため、十分なスペースがあるか確認する必要があります。

原状回復義務

賃貸マンションには原状回復義務があるため、リノベーション後の原状回復に関する費用も考慮する必要があります。大家との事前の相談や許可が必要となるケースも多いため、施工前に必ず確認しましょう。

打ち合わせの重要性

業者との打ち合わせ時には、自身の要望や防音したい音の種類などを正確に伝えることが大切です。また、工事の目的や期待する効果を明確にすることで、後々のトラブルを避けられます。最後に、防音リノベーションは生活の質を向上させるための有効な手段ですが、デメリットや注意点をしっかりと理解して、ひとつひとつ確認しながら計画的に進めることが大切です。

まとめ

マンションでの生活は便利である一方、隣接する部屋や上下の住人の生活音が気になることが多々あります。防音リノベーションは、生活音の問題を軽減するための有効な手段として注目されています。主な防音の方法としては、遮音と吸音があり、それぞれの音の特性に応じて適切なリノベーション方法を選択することが求められます。防音リノベーションには、生活音のトラブルを緩和するなどのメリットがある一方で、費用や部屋のスペース、原状回復義務などのデメリットや注意点も存在します。、リノベーションを進める際には、事前に全てのポイントをチェックして計画的に進めることが大切です。

 

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